倉山田の雑記

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「運慶 仏像彫刻の革命」読了

 こんにちは。大学が思ったよりも忙しく、入学してから読書量が減った倉山田です。

 「運慶 仏像彫刻の革命」を読み終わりました。皆さんも一度は運慶の名を聞いたことがあると思います。写実的な仏像を作る「慶派」を率いた鎌倉時代を代表する仏師です。東大寺南大門の仁王像は私も修学旅行で見ました。

 この本は東京芸術大学名誉教授で、ご自身も仏師である故・西村公朝氏がインタビューに答える形式になっています。仏像の制作・修理に携わる人物ならではの視点は新鮮でした。運慶の代表作と言われる「無著・世親像」は実際には運慶は監督であり、彫ったのはお弟子さんで、造形が甘い部分もあるそうです。

 仏像の見どころや鑑賞者の心構えについても語られているので仏像鑑賞が好きな方はぜひ読んでみてください。

 余談ですが、慶派が写実的と言っても完全な写実表現を目指したわけではないことも書かれていました。筋肉や骨格などは写実とデフォルメが織り交ぜられて設計されています。この点は印象派の画家・モネの光の表現に通じる部分があるのではないかと考えました。現実よりも大衆の中にある共通イメージを形にしたといった所でしょうか。この辺りはまた別の時に書きます。

 それでは今回はこの辺で。ご機嫌よう~

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